2023/04/18 13:30



こんにちは。

THE SUNSです。


今回は、乗り手を魅了し続ける日本を代表するYU classicシェイパー植田 義則氏にインタビューをさせて頂きました。植田氏の人柄の良さやサーフィン・シェイプに対する情熱を感じることのできる内容となっています。

ぜひ最後までご一読頂けましたら幸いです。



植田 義則氏

サーフィン歴 53年

シェイプ歴 51年



― シェイプを始めた経緯


17歳でパイオニアモスにて自分のボードを1本削りました。

小室氏のシェイプルームでの出会いはジェリーロペス氏との関係が深くなるきっかけとなりました。圧倒的な存在感のジェリーを見てシェイプもサーフィンも学ぶことは沢山ありました。ジェリーとの出会いについては、サーファーズジャーナル(日本語版)2022.12月号に詳しく出ていますのでぜひそちらも見て頂きたいです。



― YUブランドのコンセプトはなんでしょうか?


ノーズからテールにかけてのロッカーラインそしてフォイルラインが綺麗につながっていることを意識して作り上げています。クリーンなラインが生み出すスピードを信じ。



もちろん見て「綺麗」が前提ですが、サーフボードなので最終的には乗ってどうかということはさらに大切ですね。



― 小さい波、大きい波に適したボードの考えはありますか?


ロングボードでいえば、小さい波にはクラシックがおすすめです。

リズム、トリム、スタイル全てをクラシカルにこなすにはロッカーが少なくエッジがなく、そしてテールは少しリフトぎみでUPPERなフォイル。


大きい波にはどちらかと言うとハイパフォーマンス系のボードがおすすめです。波が大きくなったらロングではなく違った板に変える事の方がよろしいかも。


ショートボードも同じくですが、波が小さくなるほどロッカーを落とし、コンケーブも浅い方が表面的な滑走が良くなります。小さい波は平面的な動きになるのでパワーがなく平らなところを走るにはひっかかりがないほうが良いし、プレーニング出来る滑走面が広い方が良いです。



プロサーファーのように技術が高く、又、小さい波でもカールがボウル状に出来てくるような波であればコンケーブや強めのロッカーでもスピードにのりダイナミックなスプレーも可能です。波の大きめの日のショートボードと言うならばいつも使っているサイズより長くしたステップアップボードを持っているといいですよ。



― シェイパーの醍醐味は何でしょうか?


・作り上げた時の達成感。妥協なく出来た時の達成感。

・自分の欲しい板が欲しい時、いつでも作ること試せることが出来る

波がある時に海に行っても怒られない



自分が乗った波ギリギリのドロップがメイク出来た時にまさにその板をシェイプしながらイメージしていた事が感じ取れた気がしました。「テクニックを板が助けてくれた」とね。





- シェイパー植田梨生氏について


ブランドを触ることで、ボードのラインを大切にすることはよく言ってきました。



昔は新しいもの、最先端のものしか売れない時代もありましたが今の時代はショート~ロングまで全てにニーズが有り、はじまりから全てのものに触れられているというのはシェイパーとして、ひとつずつフレッシュな気持ちで向き合える良い時代だと思います。


- シェイプについてはどのような話をされますか?


何センチという数字ではなく、このくらいのアウトラインはどう?と聞かれれば感じたことを伝え、今もプロポーションを決めたりする際は、ディスカッションをしています。


リオは積極的に自分でボードを試してもいるしチームライダーに乗ってもらったりもしています。

様々なイメージを持てるため僕がやってきたものと違うものも作れると思います。

全てのタイプにニーズが有る時代ですから、多くの種類をハンドシェイプ出来る良い時代です。


- 植田氏よりひとこと

マシーンシェイプでやればサーフボードはほぼ同じものを作り出すことも可能ですが、買う人が違うのでモデルが同じでも出来上がりは違っても良いと考えていて、それもオールハンドシェイプのボードを選ぶ楽しみではないでしょうか。僕はデザインとしてバランス、エッジ、カーブ、ロッカーなどどのようにするか最善を尽くしていて、何パーセントずつかでもロッカーの強弱加減をユーザーの希望に合わせて変えています。





波乗りは早いうちにロング~ショート等いろいろなボードを味わってもらうことで、サーフィンのイメージや楽しさが拡がります。

今人気のミッドレングスやロングは、楽に波をつかむ事が出来、初心者の方でもサーフィンの楽しみを感じ取りやすいと思います。




- THE SUNSより


ひとつひとつの質問に丁寧にお答え頂きました。


国内海外のサーファー達との出会いのお話を魅力的にされていたのが印象的でした。

植田さんの世界観がたっぷりとつまったボードを見ていると、歴史や想い、温かさを感じてしまいます。これがオールハンドシェイプボードの深味なのでしょうか。


波とボードの関係性・相性などシェイパー目線での切り口はボード選びのヒントにもなりそうです。


YUブランドをお取り扱いさせて頂く私たちは入荷時の梱包、テープの張り方 全ての仕事が完璧であり、商品への拘りを感じています。美しいものを丁寧に創られていることが伝わってきます。


植田さんは今もなお、「サーフボードのことばかりを考え、週6日サーフボードのシェイプしていますが、この仕事は飽きないです。」とおっしゃってました。

これからも、植田さんの世界観を、多くの方々にお伝えしてゆくことが我々の使命と感じました。


貴重なお時間を本当にありがとうございました。